毎月短歌17・AI選評・11月の自選部門を発表します

第17回毎月短歌、11月の自選部門への応募作品に対するAI選評です。分析はefさんです。

今回は、全首評ではなく、応募作品のなかからAIが特に優れていると判断した10首を選び、それに評をつけたものです。以下、AIによる原稿です。

11月の自選部門・10首の選評:

応募いただいた短歌の中から、特に印象に残った10首を選び、それぞれの短歌についてコメントをさせていただきます。


1. 「釣り針を呑み込んだ傷が残ってる痛甘い 存在意義の味 / 汐

この短歌は、自己の存在意義を問いながらも、その問いに対する答えが、痛みを伴う甘さとして表現されている点が秀逸です。「釣り針を呑み込んだ傷」という具体的なイメージが、過去の経験やトラウマを想起させ、それが「痛甘い」という矛盾した感覚を生み出しています。存在意義という抽象的なテーマを、身体的な感覚と結びつけることで、読者の心に深く響く作品となっています。

2. 「ボールペン見当たらなくてクレヨンで遺書綴ったら元気出てきた / 綾野つづみ

この短歌は、シリアスなテーマである「遺書」を、クレヨンという子供っぽい道具で書くというユーモラスな状況設定が面白いです。本来、悲壮な決意を表明するはずの遺書が、クレヨンで書くことで、どこか力が抜け、逆に元気が出てくるという展開が、読者に新鮮な驚きを与えます。深刻な状況を逆手に取った、作者のユニークな視点が光る作品です。

3. 「優しいね言われるたびに埋まってく私の中のスタンプラリー / 悠月」

この短歌は、「優しいね」という言葉が、まるでスタンプラリーのように、作者の心の中に蓄積されていく様子を表現しています。一見すると肯定的な言葉である「優しいね」が、繰り返されることで、自己肯定感の欠如や、他者からの評価に依存してしまう心理状態を暗示している点が興味深いです。スタンプラリーという比喩が、言葉の持つ重みと、その言葉がもたらす心の変化を巧みに表現しています。

4. 「ストーブに踊り跳ねっている炎おまえもはじめマッチから来た / 綿鍋和智子」

この短歌は、ストーブの炎を擬人化し、そのルーツを「マッチ」に求めるという発想がユニークです。炎がまるで生き物のように「踊り跳ねている」という表現が、生命力を感じさせます。また、「おまえもはじめマッチから来た」という語りかけが、炎に対する親近感を生み出し、読者に温かい気持ちを与えます。日常的な風景から、生命の根源的なつながりを見出す作者の視点が素晴らしいです。

5. 「天使って泣くんだろうか消しゴムの斜線のような光の中で / まちのあき」

この短歌は、天使という神秘的な存在が、消しゴムの斜線のような光の中で泣いているという、幻想的な情景を描いています。消しゴムの斜線という日常的なものが、天使の涙という非日常的なものと結びつくことで、独特の美しさを生み出しています。天使が泣くというイメージが、完璧な存在であるはずの天使にも悲しみがあるという、人間的な側面を暗示している点が印象的です。

6. 「知ってるよ土星に輪っかなんてない 貴方のことも、もう好きじゃない / 美鷹周」

この短歌は、土星の輪という象徴的なイメージを使い、恋の終わりを表現しています。土星に輪がないという事実は、現実と理想のギャップを暗示し、それが「貴方のことも、もう好きじゃない」という言葉に繋がっています。恋の終わりを、天体という壮大なスケールで表現することで、失恋の痛みをより深く感じさせます。

7. 「暁と夜のあいだに海つばめ翼は風を切るためにある / 月夜の雨」

この短歌は、暁と夜の狭間という、時間と空間が曖昧な状況の中で、海つばめが風を切って飛ぶ姿を描いています。海つばめの翼が「風を切るためにある」という断定的な表現が、生きる目的や使命を暗示しているように感じられます。短い言葉の中に、力強い生命力と、自然の美しさを凝縮した作品です。

8. 「全米が同じ映画で泣く夜にぼくらふたりで笑ってようぜ / 汐留ライス」

この短歌は、社会的な現象と個人的な感情を対比させることで、独自の価値観を表現しています。全米が同じ映画で泣くという集団的な感情に対して、二人で笑っていようという個人的な選択が、読者に共感を呼び起こします。他人の感情に流されず、自分たちの感情を大切にするという、作者の強い意志が感じられる作品です。

9. 「海へ降る雪っていつまでが雪でいつからが海なのか教えて / 京野正午」

この短歌は、海に降る雪という、自然現象の曖昧さを捉え、その境界線を問いかけています。雪が海に溶け込む瞬間は、雪でもあり海でもあるという、二つの状態が混ざり合う不思議な感覚を表現しています。自然の移ろいを繊細に捉え、その曖昧さの中に美しさを見出す作者の感性が素晴らしいです。

10. 「さびしさは替え歌だって聞いたから祈りつつ寝るホタテみたいに / まちのあき」

この短歌は、寂しさを「替え歌」と捉え、それをホタテに例えるというユニークな発想が光ります。寂しさを祈りながら眠るという行為が、ホタテが貝殻を閉じる姿と重なり、どこかユーモラスで愛らしい印象を与えます。寂しさをポジティブに捉えようとする作者の姿勢が、読者に温かい気持ちを与えます。

以上、10首の短歌についてコメントさせていただきました。どの作品も、作者の個性や感性が光る素晴らしいものでした。


AI選評使用モデル: Gemini-2.0-flash-exp

分析: efさん


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