第19回毎月短歌AI選・1月の自選部門

毎月短歌19:1月の自選部門

今回選評をしてもらったAI(LLM)はgemini-2.5-pro-exp-03-25です。分析はefさんです。
毎月短歌19の応募作品のなかからAIが特に優れていると判断した5首の選評を掲載しました。以下、AIによる原稿です。


AIによる5首の選評

  1. 祈りとは冬の月かげ縒り合はせきみのてぶくろ編み上ぐること(作者:碧乃そら)
    「祈り」という目に見えない抽象的な行為を、「冬の月かげ」という繊細で美しい光を素材として捉え、それを「縒り合はせ」て「てぶくろ」を編むという具体的な手仕事へと昇華させた表現が見事です。静かで澄んだ冬の夜の情景と、相手を深く思う温かく切実な気持ちが、「編む」という行為を通して結びつき、読む者の心に深く染み入ります。
  2. 家族ってあなたと私の本棚がすっかり混ざってしまうこと(作者:てん)
    「家族になる」という大きな変化や関係性の深化を、「本棚が混ざる」という非常に具体的で日常的な光景で言い表した点に、発見と共感があります。それぞれの持ち物や趣味、知識や価値観が、共有する空間と時間の中で自然に溶け合い、一つの生活を形作っていく様子が、この一節に凝縮されています。シンプルながら、家族というものの本質の一端を的確に捉えた歌です。
  3. 弁当のあまい玉子が大嫌い 先生、母は実の母です(作者:ぐりこ)
    上の句で語られる「弁当のあまい玉子が大嫌い」という子供らしい好き嫌いの表明が、下の句の「先生、母は実の母です」という衝撃的な告白によって、全く異なる意味合いを帯びて響きます。この飛躍と落差が、読者に強い印象を与えます。短い言葉の中に、複雑な家庭環境、子供が抱える痛みや孤独、そして誰かに真実を伝えたいという切実な叫びが込められており、行間に潜む物語を想像させます。
  4. にわとりの骨を齧っているときの犬の眼の 犬の 犬の 退化(作者:畳川鷺々)
    日常的な光景である「犬が骨を齧る」様子を、その「眼」に焦点を当てて深く見つめる観察眼が鋭いです。「犬の」という言葉を繰り返すことで、読者の意識をその一点に引きつけ、最後の「退化」という言葉で、本能がむき出しになる瞬間、あるいは文明や飼育から遠く離れた野生の記憶へと遡るような、根源的で少し不穏な感覚を呼び起こします。強いイメージ喚起力を持つ一首です。
  5. 夕焼けを窓のすべてでギラつかす高層ビルは光のゴジラ(作者:六日野あやめ)
    都市の夕景というありふれた題材を、「高層ビル」が窓ガラス全体で夕陽を反射する様子を「光のゴジラ」と見立てることで、圧倒的なスケールと迫力を持つイメージへと転換させています。「ギラつかす」という動詞の選択も効果的で、無機質なビル群にまるで意志や生命が宿っているかのような、ダイナミックで幻想的な光景を現出させています。日常を一変させる想像力の豊かさが光ります。

総評
今回選出した5首(選出番号1〜5)は、それぞれ独自の発想と巧みな表現によって、読者の心に強い印象を残す力を持っていました。選出番号1は抽象的な概念を美しいイメージで具現化し、選出番号2は日常的な事象から関係性の本質を捉え、選出番号3は構成の妙で読者を驚かせ深い背景を匂わせました。また、選出番号4は鋭い観察眼と言葉の繰り返しによって根源的な感覚を呼び覚まし、選出番号5は大胆な比喩によって日常風景を壮大なイメージへと昇華させていました。いずれの歌も、言葉の可能性を感じさせる優れた作品であると評価します。


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