第21回毎月短歌と連動して募集をおこなった2025年1月〜2月の「創作題」での投稿一覧です(表示順はランダムです)
ことばの断片「創作題」募集ページ(このページは新たな募集にも使っていますので、募集内容は最新のものに書き換えがおこなわれている場合があります)
形などどうだっていい
穏やかな陽射しと風に浮かぶしあわせ
(ムラサメシンコ)
お題: 雲
形式: 短歌
驕れる者の久しからず
ビル並ぶ街も年旧り草茂り
人あらざれば古木あり
人夏に海愛づればと冬のなき世に海進み
春秋すらも隠れしを占ひたるか晴明
あづまみやこも樹に隠れ
ただ梟のまなこ輝く
人去りし世こそ春よとおほとりのほっほほっほと嗤ふ月の夜
(鯖虎)
お題: フクロウの画像で物語
形式: 長歌
欠点が多すぎたため人前に出ることはせず隅で生きてる
(雨宮雨霧)
お題: 欠点
形式: 短歌
暮らしてた部屋と二月のわたしたち
(やまかず)
お題: 写真
形式: 俳句
ごめんなさい、「巨乳が好き」な君のためパット入れてた、デートの度に
(小手川とし)
お題: 美しい嘘
形式: 短歌
あなただけを
愛し続けていたと
その幸いだけを
祈り続けていたと
あなたと共にあることが
わたしの幸せだと
影を消して
澱を沈めて
上澄みの言葉を
今日もあなたに告げた
(春永睦月)
お題: 美しい嘘
形式: 詩
惑星の パレード輝く 夜空にも そっと見ている 月の寂しさ
(ほんみつ)
お題: 惑星直列(惑星パレード)
形式: 短歌
生きている意味がわからず50年実家で見つけたへその緒に泣く
(小久保柚香)
お題: 箱を開けると(2025/02/20)
形式: 短歌
食堂のはなし 餃子編
「酢にコショウ」
最後の一つ
「食べてみて」
食べ終えた君
食べさせる君
(棚果)
お題: 画像から詩や物語を自由に創作してください
形式: 物語
「雨と蕾」
当たらない週間予報なかほどに君のとおなじ青い雨傘
間違った蕾のうえに降る雨はやわらかいけどやさしくはない
当たっても嬉しくはない天気予報水族館には二度と行けない
(きいろい)
お題: 雨
形式: 連作
かつて私だった少女がお菓子売り場で駄々を捏ねて泣いている
(半)
お題: だったもの
形式: 短歌
お見合い写真はこれでいこう。
(京本らき)
お題: 「石になにかをつぶやかせてください」
形式: 大喜利
雨粒は電波を弱くするだから雨降りの日の君はモザイク
(北乃銀猫)
お題: 創作題 テーマ「雨」
形式: 短歌
コーヒーか雨かを選ぶあかときのまぶたは針をもたない時計
(宇祖田都子)
お題: 雨
形式: 短歌
美しい嘘
お題: 美しい嘘
形式: 短文学
白い雪は白うさぎを敵の目から隠してくれる。 今日も外は雪、真っ白い雪。いそいそと出かける白うさぎは、返り血で真っ赤に染まったコートとマフラーを身につける。
雪の日は敵の目から隠してくれるが、こちらは敵を見つけやすいんだ。
(睡密堂)
お題: 白いうさぎの絵で
形式: 短文学
美しい嘘
泥だらけで帰ってきて、なにもない白い部屋に隠れてしまうのは、それは嘘を見つけてほしいからだろう。床は泥で着色されて、造花は赤い。そして、嘘はそれだけで美しいと思う。嘘をつこうという気持ち、嘘をつくときの唇の震え、嘘が嘘である時間、嘘が嘘でなくなったあとの距離感。
早春は嘘だったからぼくたちは雪に夕陽に汚れてはしゃぐ
きみがぼくにくれた嘘は、きみがぼくのために創作したもの。白い部屋の中でマークアップされたみたいに、重要な部分であるかのように、ひかる。いや、泥なのでひかりはしない。爪のあいだに入りこんだ、その嘘は美しく、希望や祈りを含んでいて、この白い室内で、ぼくたちの体温で、すこしずつあたたかくなってゆく。夕方の、窓から差し込むひかりも手伝ってくれるみたい。
逆光は嫌いじゃないよ今きみは嘘春のなか何に似ている
(畳川鷺々)
お題: 美しい嘘
形式: 詩
次世代文学/創作題