あなたのX投稿をあなたの同意のもと文学Gitへ保管する企画について
わかりやすく説明したテキストと、詳細説明の2つを用意しました。
あなたの作品、Xと文学Gitでどうなる?〜安心してください!矛盾しません〜
企画ごとのフォーマットに合わせてXに投稿したあなたの作品が、文学Gitでどう扱われるのか。そしてその権利についてシンプルに説明します。
作品の著作権は、ずっとあなたのものです
まず、一番大切なことからお伝えします。
あなたが作った詩や物語、短歌や俳句などの作品は、Xに投稿しても、文学Gitに保管しても、いつでも、どこまでも、あなた自身のものです。作品の「所有権」や「著作権」が、あなたから他の誰かに移ってしまうことはありません。
X(旧Twitter)があなたの作品を使うのは「みんなに届けるため」
Xは、あなたが投稿した作品を、世界中のたくさんの人に見てもらうための「場所」です。
あなたが作品をXに投稿すると、「この作品をXのサービスの中で使っていいよ」という**一時的な「許可」(ライセンス)をXに与えたことになります。
これは、例えば、あなたが投稿した内容が
- 他の人のタイムラインに流れる
- リツイートされる
- 引用される
- 埋め込み機能で他のウェブサイトに表示される
といった形で、たくさんの人に届くための仕組みです。
ポイント: Xに与えるこの「許可」は、「Xだけが使える」というものではありません。あなたがX以外で自分の作品を使ったり、他の場所で公開したりするのを邪魔するものではないんです。
文学Gitはあなたの許可をもらってあなたの作品を未来に残します
さて、文学Gitは何をするのかというと、Xという「場所」にあるあなたの作品を、あなたの「OK!」をもらって、私たちの「特別な図書館」(GitHubという場所)に大切に保管します。
この特別な図書館では、Xとは別に、あなたが「この作品はこんなふうに使ってほしい」という「利用ルール」(ライセンス)をあなた自身で決めることができます。
例えば、「私の名前さえ書いてくれれば、みんなが自由に引用したり、研究に使ったりしていいよ」というようなルールです。このルールは、「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス」など、世界中で使われている、作品を共有するための仕組みを使います。
Xのルールと文学Gitのルールは「ぶつからない」
「Xにもルールがあって、文学Gitでもルールを付ける。これって矛盾しないの?」と思うかもしれませんね。でも、ご安心ください。これは、まったく矛盾しません。これらは、それぞれ違う目的のための許可なので、お互いに邪魔し合うことはないんです。
- Xでのルール:Xの「場所」で、あなたの作品をたくさんの人に見せるためのルール。
- 文学Gitでのルール:あなたの作品を「より多くの人にみてもらうために」そして「未来に残る文化的な財産」として、あなたが望むルールのもとで、保管します。
このように、それぞれの目的が違うので、ルールが重なり合って問題が起きることはないのです。
あなたの作品は、常にあなたのもの。Xと文学Gitはそれぞれ違う役割で、あなたの作品を大切にし、広く届けるお手伝いをします。ぜひ安心して、文学Gitに参加してください。
詳細説明
Xにおけるコンテンツの法的地位と文学Gitの活動との整合性
「文学Git」プロジェクトにおいて、X(旧Twitter)に投稿された文芸作品を収集し、別途ライセンスを付与して公開する試みは、Xのサービス利用規約と整合しており、法的矛盾を生じさせません。以下にその論拠を詳細に解説します。
1. Xの利用規約におけるコンテンツの法的地位
Xのサービス利用規約(以下「本規約」)は、ユーザーがX上でコンテンツ(情報、テキスト、グラフィック、写真など)を投稿する際の権利関係を明確に定めています1。
1.1. 著作権の保持
最も重要な点は、投稿されたコンテンツの著作権は一貫して投稿者本人に帰属するという原則です。本規約の「ユーザーの権利およびコンテンツに対する権利の許諾」の項目には、以下のように明記されています。
ユーザーは、ポストまたは共有する自身のコンテンツに対する所有権と権利を留保する 1。
(補足: PDF版規約では「コンテンツの所有権はユーザーにあります」と明確化されている 2)
これは、Xにコンテンツを投稿しても、作者がその著作権をX社に譲渡するわけではないことを意味します。
1.2. Xへの非独占的ライセンスの付与
一方で、ユーザーがコンテンツをXに投稿する際、X社に対して、そのコンテンツをサービス内で利用するための広範なライセンスを付与します。このライセンスは「非独占的」である点が極めて重要です。
本規約の該当箇所は以下の通りです。
ユーザーは、本サービス上にまたは本サービスを介してコンテンツを送信、ポストまたは表示することによって、当社が、既知のものか今後開発されるものかを問わず、あらゆる媒体または配信方法を使ってかかるコンテンツを使用、コピー、複製、処理、改変、修正、公表、送信、表示および配信するための、世界的かつ非独占的ライセンスを(サブライセンスを許諾する権利と共に)当社に対し無償で許諾することになります(明確化のために、これらの権利は、たとえば、キュレーション、変形、翻訳を含むものとします)234。
この条項が意味するポイントは以下の通りです。
- 非独占性: ライセンスが非独占的であるため、コンテンツの著作権者である作者は、X社に加えて、他の第三者(例:文学Git)に対しても、同様の、または異なる条件でコンテンツの利用を許諾する自由を保持します。これは、文学Gitの活動の法的基盤となります。
- サブライセンス権: X社がこのライセンスに基づいて、さらに他の企業や組織にコンテンツの利用を許諾(サブライセンス)できる権限を持つことも明記されています53。これにより、X社のパートナーがコンテンツを広く配信することが可能になります。
- 広範な利用範囲: 「使用、コピー、複製、処理、改変、修正、公表、送信、表示および配信」といった多様な利用形態が許諾され、これにはキュレーション、変形、翻訳も含まれます25。また、「報酬を支払うことなく」利用できることも明記されています3。
2. Xのプラットフォーム特性とコンテンツ拡散の前提
Xは、その性質上、ユーザーが投稿したコンテンツが広く拡散されることを前提としたサービス設計になっています。リポスト(リツイート)、引用、埋め込みといった機能は、コンテンツの迅速かつ広範な流通を促進するために実装されています3。
本規約もこの点を裏付けており、前述のライセンスによって「ユーザーは、当社や他のユーザーに対し、ご自身のポストを世界中で閲覧可能とすることを承認することになります」と述べています24。また、「本サービスを提供、宣伝および改善させるための権利ならびに本サービスに対しまたは本サービスを介して送信されたコンテンツを他の媒体やサービスで配給、放送、配信、リポスト、プロモーションまたは公表することを目的として、その他の企業、組織または個人に提供する権利が含まれている」とあり、Xがコンテンツを積極的に広める意図が示されています3。
3. 文学Gitの活動とXの規約の整合性
文学Gitのプロジェクトは、Xの利用規約と整合し、法的な問題を生じさせません。
3.1. 非独占的ライセンスの活用
文学GitがX上の作品を収集する際、プロジェクトはX社のライセンスに依拠するのではなく、作者本人の明確な同意と許諾を基盤とします。Xに与えられたライセンスが「非独占的」であるため、作者はX社に利用を許諾しつつも、同時に文学Gitに対しても、別途の条件(クリエイティブ・コモンズ・ライセンスなど)で作品の利用を許諾することが法的に可能です。
3.2. 異なる目的とプラットフォーム
- Xの役割: コンテンツをリアルタイムで拡散し、ソーシャルな交流を促すためのプラットフォームです。Xに付与されるライセンスは、この目的のためにコンテンツがXのサービス内で機能することを可能にします。
- 文学Gitの役割: Xとは異なる目的、すなわち、作品を「文学的資産」として永続的にアーカイブし、特定のライセンス(例:研究利用や教育利用を許諾するCC BYなど)のもとで体系的に公開・活用することを目指します。活動の場もX上ではなく、GitHubという別のプラットフォームです。
このように、Xと文学Gitはそれぞれ異なる目的とプラットフォームを持ち、作者から与えられる利用許諾も、それぞれの目的と場に応じたものです。作者は自身の著作権に基づき、これらの異なるライセンスを同時に、矛盾なく付与することができます。
Recap
Xの利用規約は、コンテンツの著作権が作者に留まることを明確にしながらも、X社に対する広範な非独占的ライセンスの付与を定めています。この非独占性により、作者はX社だけでなく、文学Gitのような第三者に対しても、個別の利用許諾を与えることが可能です。
したがって、文学Gitが作者の同意を得てX上の作品を収集し、GitHub上で別途ライセンスを付与して公開する活動は、Xのサービス利用規約と完全に両立し、法的な矛盾は生じません。作品の所有権は常に作者にあり、Xと文学Gitはそれぞれの役割と規約に基づいて、作品の価値を広め、未来へ繋ぐ活動をサポートします。
参考
a. Xサービス利用規約 https://x.com/ja/tos
b. Twitter サービス利用規約 https://x.com/ja/tos/previous/version_13
c. X 著作権に関するポリシー https://help.x.com/ja/rules-and-policies/copyright-policy
次世代文学/文学Gitプロジェクト